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2018年6月アーカイブ

侮るなかれ、犬の引っ掻き傷〜人工股関節を交換した飼い主のお話

なんとも人事とは思えないような、できれば人事で済ませたいような(すみません)記事です。我が家にも盲目になった老犬(11歳)がいます。3年以上前から視力が下がり今はほぼ見えていません。視力検査は出来ませんが、全身麻酔で行った検査で、網膜が光に反応していないことがわかったので。

もともと不安の強い犬だったのですが、見えなくなったことでより不安が強くなり、急に触られたり、突然近くで物が動いたりすると、驚いて噛んでしまいます(泣)

私にずっとストーカーのようにつきまとっているので、必然的に私が一番かまれています。誰がちょっかい出しても・・・

抗生物質を処方してもらったこと1回、洗浄し点滴したこと1回。でもたいていは、このくらい大丈夫と言われてしまいます。点滴をしてもらえたのは、知りあいの皮膚科の先生が当直医に連絡してくれたからで、そうでなければおそらく内服処方だけだったかも。

以下、記事より抜粋

確定診断まで14ヶ月〜鼠蹊部の謎の痛み

イギリスに住む女性は、数ヶ月にわたり鼠蹊部(大腿部の付け根にある溝の内側にある下腹部の三角形状の部分)と臀部の痛みに悩まされ、整形外科の門を叩きました。彼女は、1997年に全人工股関節置換術を受けており、痛みの原因は感染か腫瘍ではないかと考えられました。

検査の結果、腫瘍の可能性は否定されたため、残る可能性を感染に絞り医師は生検を行います。股関節から採取した7つの体液サンプルが研究室で培養され、そのうちの一つにC. canimorsusが発見されました。

診断を確かにするために実施された2回目の生検でも、3サンプルの一つからC. canimorsusが同定され、検査を行ったウェールズ大学病院は、女性はカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症であるとの診断を下しました。

女性が最初に整形外科を訪れてから確定診断までにかかった期間は約14ヶ月。感染により臀部付近の皮膚は著しく破壊され、痛みは耐え難いほどに進行していました。

なぜ確定診断に時間がかかったのか

女性が感染したC. canimorsusとは、カプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)というグラム陰性の桿菌で、犬や猫の口の中に常在する細菌のこと。感染すると発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛があり、重症化すると敗血症や髄膜炎を起こして死に至ることがあります。

感染の原因は主に犬や猫などによる咬傷や引っかき傷で、通常は動物との接触ののち急速かつ突発的に症状が現れます。しかし、今回のケースでは、犬が女性に引っかき傷をつけたのは、整形外科を訪問する9ヶ月も前のこと。発症までに9ヶ月がかかった今回の事例は、かなり珍しいものだそうです。

さらにこの種の細菌が人工股関節に感染するのは極めて稀だったという点も、診断の遅れにつながりました。現在までにこうした事例は2件しか報告されておらず、今回の事例は3例目だそうです。

女性は2回の手術を経て、新しい股関節と痛みのない生活を得ることができました。ただ、そのときのひどい痛みを忘れることはできず「常に恐れを抱いている」とのこと。「また同じようなことが起こるのではないかという恐れは常にある」ともコメントしています。

爪から口内常在菌が移ることがある

今回のケースで覚えておきたいのは、爪による引っかき傷からでも口内常在菌が移ることがあるという点です。ご存知のとおり、犬はお手手のナメナメが大好き。爪を舐めることによって移った口内細菌叢が、引っかき傷を通じてヒトに移ることがあるということです。

また、咬傷や掻傷による影響がすぐには現れないことがあるというのもちょい注意。身体に異変があったら、ペットからの影響を疑ってみても罪にはならないでしょう。

とはいえ、愛犬や愛猫にはあなたに害を与えようとして舐める訳ではないので、有罪とは言い難いことはお忘れなく。あまり過度な接触をしないよう、また接触のあとは手洗いなどで清潔にするよう飼い主さんが心がけるようにしましょう

虫歯の心配無用、人工細胞膜が矯正器具の汚れ防ぐ

biglobeニュースさんで読んだ記事です。

 切通義弘(きりとおし・よしひろ、50歳)さんが社長を務める、東大柏ベンチャープラザ(千葉県)に入居するインテリジェント・サーフェスというバイオベンチャー。とある技術が確立して40年。その技術に学生時代から20年近くの情熱を注いできた研究者が一念発起して、医療機器での実用化を目的に、2016年に起業した。と記事にはあります。

歯列矯正中の口腔内での細菌増殖を抑制

 現在、インテリジェント・サーフェスが開発しているのは、歯列矯正用器材のコーティング材である。

 歯列矯正用器材の矯正ワイヤーは、歯を目的の方向に動かすよう"滑り"を維持することが重要なのだが、表面に食べかすなどが付着して歯石ができると、固着してしまう。

 さらに表面に細菌が繁殖して虫歯や歯槽膿漏の原因を誘発すると言われる。患者だけではなく、歯科矯正医や医療機器メーカーも解決策を探しており、同社に共同開発が持ちかけられた。

 こうした医療機器の表面をコーティングする材料として、人の体内に存在し、細胞などを包む生体膜を構成する主成分であるリン脂質の働きを模倣したMPCポリマーには長年熱い視線が注がれている。

 MPCポリマーで医療機器表面を覆えば、体内に埋め込まれる医療機器を生体が自己として認識するため、異物として捉えず生体反応を起こしにくいという特性がある。

 この場合の生体反応とは、異物と生体が接触することによって起きる不具合の総称である。

 例えば、人工血管の内壁に血液が触れると、そこにタンパク質が吸着し、血液成分がこびりついて血栓が生じる。血栓を形成しにくい健康な血管の内側のように、人工血管をMPCポリマーでコーティングすることで、生体反応を防ぐというわけだ。

 切通さんらは独自の技術でMPCポリマーを開発しており、医療機器メーカーと大学との連携で実施した6か月間の臨床試験では、期待通りの結果が得られた。

 MPCポリマーをコーティングした矯正ワイヤーの表面に発生した細菌の数は4分の1に減り、通常の口腔内の細菌の数と同じレベルに抑えることを実証したのだ。

 また、MPCポリマーは、水に濡れていると滑りがよくなるため、口の中で機能的に動く必要のある矯正ワイヤーの表面のコーティング剤としても適している。

 現在、人工血管やステントなどの医療機器の表面に使われるコーティング剤には、ヒアルロン酸、ダイヤモンドライクカーボン、酸化チタン、パリレンなどが使われているが、同社が調べる限りでは、歯列矯正素材のコーティング剤に類似品は存在しないという。

 物理的な吸着ではコーティングが剥がれてしまうこともあるが、化学結合であれば強固に固定することができる。

 血栓のもととなる生体反応を起こさない血液適合性、タンパク質非吸着性、防曇性の高いMPCポリマーを化学結合で強固に固定する技術をもっているのは国内では同社のみ。器材1個あたりに必要なコーティング剤としては50円と業界での最安値の水準に揃えた。

人工関節に置換して以降、感染については特に注意を必要としてきました。虫歯や歯周病の管理はもとより、扁桃腺炎や犬の噛み傷等々。

2回目の人工関節手術以後は、朝起きぬけのはみがきも習慣化してきました。当時入院していたリハビリ病院の医師の薦めもありました。一旦習慣化すると、歯磨きなしではお茶も口にするのをためらうようになりました(笑)

日本生まれの人工細胞膜

 同社が手がけるMPCポリマーと呼ばれる人工細胞膜は、1970年代に発明された長い歴史を持つ化合物で構成されている。

 先に海外で実用化が進んだため、海外で開発されたと認識されがちだが、実は日本で生まれた生体模倣技術である。

 体内に留置する医療機器が本来の機能を果たせるようにと、中林宣男さん(現・東京医科歯科大学名誉教授)のグループにより生み出されたものの、当時は合成が難しく研究が進みにくかった事情がある。

 のちに加わる石原一彦さん(現・東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻・バイオエンジニアリング専攻教授)により大量合成技術が開発され、メーカーも巻き込み研究開発が一気に加速した。

 MPCポリマー開発当時の治療で使われていた人工血管は、体内に留置した後に血液成分がこびりついて血栓ができるなどの課題があり、治療を受けた患者は抗凝固剤や抗血栓製剤を飲み続けなければならなかった。

 中林さんのグループは、血流にさらされても血液成分が吸着しない健康な血管内の表面の成分に着目した。

 ここから長きにわたる研究の末に生まれたのが、細胞膜を構成する主成分であるリン脂質の機能を模倣した高分子化合物MPCポリマーだった。

 リン脂質と類似した構造を持つ物質を合成し、重合という化学反応を経て、人工細胞膜となる生体親和性の高い化合物を作り出すことに成功した。

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医療機器開発への興味から見えた課題解決

 切通さんが、石原研究室のドアを叩いて弟子入りしたのは、1999年、東京大学大学院工学系研究科修士1回生の時。

 医療機器開発をしたいと中林さんに相談したところ、当時東京大学に移っていた石原さんを紹介されたという。

 以降、石原さんのもとでコンタクトレンズの材料開発をはじめ、MPCポリマーの研究に没頭した。

 「石原先生は今もMPCポリマーを学術的な視点で5年後、10年後を見据えた新しい技術を開発している。その5年後、10年後にその技術を受け継いで世に出していきたい」と、切通さんは話す。

 同社の強みは、セラミックや金属、プラスチックなど、様々な素材の表面構造を基にMPCポリマーを合成し、固定化する技術にある。

 MPCポリマーは様々な産業での応用が可能だが、目下、切通さんは医療機器の中でも防汚性、防曇性などを求める製品へ展開し、事業の足場を固める。

 切通さんは、 人の体内に留置して損なわれた臓器の役割を補う医療機器と生体を機能的につなぐ「人工細胞膜」に新たな技術を見出し、大学や企業との共同開発や受託研究に力を入れる。

 人工股関節や人工心臓、人工血管などの体内に留置する医療機器は、けがや病気により損なわれた身体機能を補うために活用される。

 「今や、生体とデバイスが機能的につながる時代です。医療機器そのものの機能は非常に優れているものの、生体との接続部位で生体反応が生じることにより、その機能を生かし切れていない」

 「生体と機器の間の界面に課題が残されているため、患者は我慢して医療機器を受け入れているのが現状と捉えています」と切通さん。

 「機械と人との機能的な融合を実現することで、医療機器の課題を解決したいと考えています」と意欲的だ。

 「生体との親和性が高いので様々な医療機器に応用できるのですが、まずは事業の足固めをするため、開発しやすい分野から展開していきます」と、事業分野の選択には慎重な切通さんだ。


こういう技術が応用されてくるようになって、術後の心配事がひとつでも減らせるのであれば、ありがたいことだと。

でも当面は、こまめな歯磨きと歯科受診は欠かせないようです。

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