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【トピックス】90歳以上でも股関節置換術は安全

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健康美容EXPOニュースより

社会の高齢化に伴い、人工股関節置換術を必要とする高齢者がますます増えると考えられるが、手術は何歳まで可能なのだろうか。

米カイザー・パーマネンテ(ロサンゼルス)の整形外科医Alexander Miric氏が率いた新たな研究で、90歳以上の患者183人と、90歳未満の患者4万3,000人強に実施した股関節置換術を比較した結果、同等の成果が認められたという。この知見は、米ニューオーリンズで開催された米国整形外科学会(AAOS)年次集会で発表された。股関節置換術は1960年から実施されており、米国医療研究品質局(AHRQ)によると、米国では年間約28万5,000件の人工股関節全置換術が実施されているという。

今回の研究では、関節全置換術の登録簿から収集したデータを用い、2001年4月から2011年12月までに実施された股関節置換術について分析。80歳未満、80?89歳、90歳以上の3つの年齢層について、入院期間の長さ、術後の合併症、死亡率および術後90日間の再入院率を比較した。深部静脈血栓症のみられた患者は90歳以上ではおらず、80?89歳では1.2%、80歳未満では1%未満だった。90歳以上の感染症の比率には80歳未満との差はみられなかったという。

90歳以上では入院期間がやや長く、平均3.4日だったのに対し、80歳未満では2.8日、80?89歳では3.3日だった。また、90歳以上では術後3カ月以内の再入院率が高かったほか、90日以内の死亡率が最も高く、2.7%だったのに対し、80?89歳では1.3%、80歳未満では0.2%だった。Miric氏は、90代の股関節置換術は見通しが明るく、90代であっても外科医と話し合い(手術の実施を)検討すべきだと述べている。

米ラッシュ大学メディカルセンター(シカゴ)教授のCraig Della Valle氏は、この結果は意外なものではないと述べている。同氏は、「90歳まで生き、関節炎に悩むほど健康であるということは、活動的で選択的手術にも耐えられることを意味する」と述べる一方、徹底的な術前評価を行い、手術に適格であることを確認する必要があると警告している。また、今回の研究で90代に認められた2.7%という死亡率は高いように思えるとの同氏の指摘に対し、Miric氏は、90歳以上での1年以内の死亡率は一般には約20%だが、今回の研究では90歳以上の集団の1年以内の死亡率は5.5%だったと述べている。

なお、この研究は学会発表されたもので、データおよび結論はピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。(HealthDay News 3月11日)

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