その日の前に

僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子。感動の重松ワールド

5つのストーリー(短編)で構成されています。
ひこうき雲、朝日の当たる家、潮騒、ヒア・カムズ・ザ・サンそしてその日三部作
亡くなったひと、そして死にゆく人への思慕・・・ひとつひとつが心にぐっと迫ってきます。
そして最後にすべての人生が交差し・・・あとは号泣です^^;
重松清さんの作品は好きで以前から時々読んでいました
「死」について考えることはよくあります。
職業柄(以前はnurseでした)人の死は日常的に接してきました。
心に強く残る一人の女性の死。十数年も前のこと。
その人はちょうど今の私くらいの年齢でした。
綺麗で上品な雰囲気のある方でしたが、がんの末期症状による
嘔気・嘔吐と全身の痛みで、鎮痛剤の効いていないときは
髪を振り乱し泣き叫び、痛々しくてなかなか部屋には足しげく通うことはできませんでした。
当時若くて何事にも余裕のない私でしたが、常に付き添っている男性が
二人いることくらいは気づいていました。
他の先輩nurseによると一人はご主人で一人は恋人、だと。
ひとつの病室に夫婦と恋人の3人が穏やかな表情で集っている・・・
普通には考えられない状況が、最愛の人のがんの末期という
特別な事情のために、普通にそこにありました。
愛、なのでしょうか?
夫婦の間に、そして夫と妻の恋人の間にどういう経緯があって
この状況に至ったのかは知る術もありませんでしたが
夫も恋人も、その女性に対する愛という共通項で意思がつながっていたのでしょうね
誰しも命の尽きるときは最愛の人と共にいたいと思うもの
彼女の最愛の人は果たしてどちらだったのか、それは永遠のなぞ
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