心身症のキーマン「古皮質」

自律神経は脳と身体とを結んで、脳からの指令を身体に伝える役割を果たしています。
昼夜を問わず休みなく心臓を動かしたり、食事をしたら消化させるために胃腸を動かすなどの働きを、私たちの意思とは関係なく無意識のうちにしています。
ではなぜストレスがあるとこの自律神経がうまく働かなくなってしまうのでしょう?
自律神経をコントロールしてるのは間脳です。
この間脳には、「内臓脳」とか「情動脳」と呼ばれている一連の「古皮質」からさまざまな”心”の情報が送られ働きかけられています。
本能とか心とか感情的な分野の認識をしたり、判断をしたりする古皮質は、言葉で論理を構築したり計算をしたりという働きをする新皮質にくらべて、入ってくる情報に対して反応しやすく、同時に傷づきやすいことが知られています。
ところが古皮質は、新皮質と違って自覚的には働いていません。
ヒトは自覚的な新皮質の働きには敏感なのですが、無自覚な古皮質の主張は無視しがちになってしまいます。だからどんなに心が傷ついていたとしても、本人はあまり傷ついたという自覚がなく、その傷がどんなに大きくてもそれをつかめないので、積極的に傷を癒すという行動に移しにくいのです。
こうして自律神経系の暴走が野放しになるとさまざまな症状が出てくることになるのです。
内臓に作用すると内臓の病気に、脳の中に向かうと脳の正常な機能を損なってノイローゼという心の病気となってしまいます。
いつも悲しい気分から抜けられなかったり、特に何があるわけでもないのに不安にとらわれるなど、平常心ではいられなくなってしまします。
こういう症状はは、古皮質から怒りのホルモン「ノルアドレナリン」や、恐怖を感じるホルモン「アドレナリン」が異常に分泌されてしまうためです。
心の病気といっても気持ちの持ちようで起きているのではなく、こうした伝達物質の異常分泌が起きているためなのです。
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食べたからといって何を意識するわけでもなく、自然と消化・吸収は身体の中で起こっていますよね





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