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小児の治療

■小児の治療
小児は成人と異なる特徴を有する。男児に多く、アトピー性皮膚炎や喘息の合併率が高い。喘息やアトピー性皮膚炎に比べて低率ではあるが、自然治癒傾向も見られる。鼻のかゆみ、鼻閉が強い為、鼻こすりや顔面の変形(目の周りのクマ、鼻尖部に横に走るしじ)などがしばしばみられる。また、アデノイド、扁桃が大きい時期にあたり、いろいろな感染症に罹りやすいことも注意しなければならない。
治療に際しては、医師と親とのコミュニケーションが大切になる。小学校高学年以上では、患者の自覚、納得を得るよう努力しなければならない。発育と共に緩解する傾向にあるが、小児アレルギー性鼻炎は一般に難治で、治療に長期間を要するので漫然とした頻繁な通院は避ける。かぜ症候群によるアレルギー性鼻炎の悪化もあるので、この治療をなおざりに出来ない。
小児ではダニアレルギーが多いので、ダニ駆除、回避を指導し、又ペットに近づかないようにも指導する。
薬物療法は成人に準じるが、小児適応が認められている抗アレルギー薬は少ない。(DSCG、フマル酸ケトチフェン、オキサトミド、トラニラスト、ペミロラストカリウムなど)これら薬剤の投与量は、小〜中学生は成人の藩領が基準となる。抗ヒスタミン薬の中枢抑制性副作用は成人に比べて少なく、ときに興奮状態を誘発することもある。局所への薬剤のスプレーは、喘息ほど難しくはないが、親の助けが必要な場合もある。鼻をかませた後に行なうのが効果的である。点鼻用血管収縮薬、小児に対しては倍量に希釈して用いるが、5歳以下には使用しない方がよい。鼻用ステロイドは、成人では副作用はほとんど見られないが、小児では慎重に投与する。
ステロイド薬内服は極力避ける。特異的免疫療法は6歳以上に行い、喘息合併例には投与抗原量の調節を慎重にする。
鼻腔内通気の改善のために行なう手術は小学生以上とする。最近では、CO2レーザーなどを使用したレーザー下鼻甲介手術が小児例にも行なわれている。副鼻腔に陰影があるときでも、副鼻腔手術は適応でないことが多い。副鼻腔陰影の自然軽快が高率に観察される。小児には早期診断・早期治療が大切である。
滲出性中耳炎など、鼻のアレルギーは悪影響を及ぼす疾患にもアレルギーの治療を行なう。逆に感染などの鼻症状を悪化させる疾患も併せて治療する必要がある。