2月19日 術後1日め こんな痛いはずじゃ・・・

DSC_3641-2.jpg

DSC_3643-2.png

DSC_3648.JPG

どんなに痛くても夜は明ける(笑)左股関節固定術から人工股関節置換術にし、一晩空けて1日め。

昨晩23時半ころにロキソニンを服用し、痛みが怖くて体をピクリとも動かさず(動かせず)明け方ほんの少しだけうつらうつら眠ったようです。

朝食は、私の大好きなレーズンパンに、寝たまま食べられる仕様のものばかりでしたが、食事どころではありませんでした(泣)

大学病院ってなんでこんなリッチなパンが出るの。食事療養費はどこに入院しても一緒なのに。

そんなのんきなことを考えている余裕ももちろんありませんでした。なにしろ痛い。激しく痛い。とにかく痛い。

朝食後からはトラムセットを服用してもよいと許可をいただいてたので、少しはましになるかなと期待。

もちろんそんな期待はもろくも崩れ・・・

日勤の業務が始まったようで、ナースが四人くらい入ってきました。今から清拭をすると。

え?先生いないけど?ナースだけで体動かすの?

おもむろに一人のナースが足首を持って術足を持ち上げた。はい、絶叫。

しかも足をこのまま支えてるから横に向いてと言う。はい、無理。

あまりの激痛に返事も出来ず、私の泣き顔を見て皆さん帰っていかれました。自分で側臥位になれというなら一生清拭できなくていい。

右の股関節の手術のとき、あんなに楽しみ(?)にしていた清拭がなんて恨めしい。

後から主治医が来て、スタッフが「あの人異常に痛がるけど」と言ってるけど、と。痛みには強かったのではないのか、と。

痛みに強い、慣れているといっても限度がある。

大体以前の手術では硬膜外チューブから鎮痛剤を注入していて、清拭や回診で体を動かすときはあらかじめ自分で調節して薬を入れていた。普段の生活でも効果の少ないボルタレンやロキソニンで術後の鎮痛がはかれるなら苦労ない。普通の人工関節手術の人と比べて痛がるといわれても納得できない。

口は元気でした。マシンガンでした。主治医苦笑い。

DSC_3647.JPG

PTさん、術後初訓練。床上での膝の上下運動を指導される。ふくらはぎ全体で術足を支えてくれてすごい安心感。足首で持ち上げられたというと、ありえない、と(笑)

離床を明日に控え、はたと気づいたらしく、個室から個室へ移動。患足と健足を見誤っていたのか、病室の入り口がわに車椅子がつけられないためとのこと。またしてもベッドの揺れる衝撃に涙目になる。

夕方思いがけない来客あり。

もともとの主治医。(他病院)

大学でなんとかの会があるとかで、顔見に寄ってくれたらしい。思い切り、痛みが酷いのに内服薬しかもらえないと愚痴る。術後の写真や、現主治医との話からか、ベッド脇に座っていた次男に「お母さんが元気でさえいてくれれば、跛行が残るくらい平気だよな」みたいな事を言っている。跛行、残るの?一生?

私にも、術後の写真見たがきれいに出来てた、歩くとき体が揺れるくらいのことは関節が動いて生活が楽になることを考えれば、な、みたいな事を。

でも確かにこんなに痛いと、歩けるイメージがわかないことも事実で。関節が動くようになればそれだけでいろんなしんどさが改善するであろうこともわかるけど。深くは考えずにおこうと思った。

先生がわざわざ会いに来てくれたこと、気にかけてくれてること、有難かったし。

【内服薬:鎮痛剤】

トラムセット、ロキソニン、3回/日

他:持続点滴中

【処置】

アイシング

弾力ストッキング

足架台

フットポンプ

【リハビリ】

膝をベッドに押し付ける程度

【安静度】

ギャッジアップ 10から30度

【食事】

串さし食

2月18日 手術当日 長い一日の終わりは疼痛性ショックになるかというくらいの痛みとともに

固定股関節から人工股関節置換術へ。いよいよ手術当日となりました。
個室に移動したり、アルジネートウォーターを指定された時間内に飲んだり、シャワーしたり、大部屋で一緒だった方とお喋りしたりで、あっという間に午前中が過ぎました。
剃毛もなく、搬入時間の30分前に着替えてねと言われただけで、緊張感なし。
いざ搬入となって驚いたのが
「歩いて行きますか」
「え?」
これまでの手術で経験してきたような前投薬なし。
素面のまま手術室行くのかぁ…薬でボーッとしてる方が不安がなくて良いのに。
結局ペラペラのディスポの手術着にディスポの帽子、サンダルという姿のまま、一人しかいない搬入の看護師さんと一緒に自分のベッドを押しながら手術室へ入っていくというシュールな場面をひけらかしたのでした。
「おっ、自分でベッドを押してきたぞ」
麻酔科の先生、ここまでの道のり遠かったよ。
前投薬なしでの手術は初めてですというと、もう最近はこちらの病院ではしていないと。すぐ振り返って研修医か学生かわかんない人に、昔は(!)アトロピン等を前投薬として投与していたと説明している。
なんだか自分が古い人間だと説明されているようでなんだかなぁって感じ。
手術台に横になってそのまま一番奥の手術室まで搬送される。扉が2枚あるところを見ると無菌室なのでしょう。
麻酔科やら看護師やら見知らぬスタッフが次々と自己紹介しながら私の両手両足、身体中に自分の仕事をこなすためがんじがらめにしていく作業の連続。
素面で初めて仰ぎ見る無影灯。怖い。何が?よくわからないけどこれまでの術前で感じたことのない怖さ。
やっぱり前投薬は必要だと思います。何をされるかわかっていても不安がどんどん増大していくのがわかる。
腰が激しく痛くなるような姿勢で無理やり固定され、動悸が激しくなる直前でやっと意識が無くなりました。
※ ※ ※ ※ ※
うっすら目が開いて、麻酔科医の言葉に反応した時点で合図された研修医が抜管してくれた。あ、案外チューブって柔らかいんだ。
意識が戻るに連れカオスが襲ってくる。経験したことのないような激しい痛み。
あれ?なにこれ?
あまりの痛さに身体中震える。震えることで更に傷が痛む。その痛みの恐怖でまた体が震え・・・魔の悪循環。
病室までの道のり、廊下のわずかな段差で絶叫しそうな激痛が走る。
悪夢のような夜の始まりでした。
13時に搬入されて、帰室18時半頃のことでした。
耐えに耐えました。震えながら。
看護師さんが5人くらい一斉に計測、ストッキング履かせる、ポンプ装着、アイスノンを術創に当てる、採血、タオルであちこち保護、他もろもろの作業。
足を動かされた時には泣きました。痛すぎて喚くこともできません。
しばらく耐えた後座薬を入れてくれました。
効果?不明なくらい痛み変わらず。
そんな状況の中で、親戚のおじさんが亡くなったとか、家の隣の公園で野球してた近所の子がうちのガラスを割ったとか、聞きたくないような電話が次々。
神様はよほどこの手術に反対だったようで。
でももう遅いです、手術受けてしまいました。
お願いだからこれ以上心の平静を奪わないで。
日が変わる頃に、痛み時の指示で(おそらく入院時の指示かと)ロキソニン出てますが飲んでみます?と担当ナースさん。
冗談かと思いました。
この痛みにロキソニンとな?
普段の腰痛でもあんまり効かないんだよ?
飲みました。
他に何も手立てが無かったから。
体をピクリとも動かせません。激しくキズが痛みます。
長い長い、とてつもなく長い恐怖の夜になりました…
唯一慰めになったことは、夜勤の看護師さんが手にビニール袋をかぶせて背中のエア抜きをしてくれたこと、それだけです。

2月17日 入院2日目

大学病院はスタッフの業種ごとに見事に業務分担がなされています。
入院時の病室案内や、オリエンテーションは病棟でクラークさん。シーツ交換はリネンスタッフ、部屋移動、給茶、環境整備、簡単な患者搬送などは看護助手さん。医師は学生や研修医含め沢山いるのでちょっとした介助や付き添うこともなく、看護師は本来の業務に専念出来るようです。検温も二人で回ってきて一人が観察やバイタルチェック、一人は端末に記録。
道を極めるには良い環境なのではと思います。恵まれています。
主治医ガーゼ貼り替えシャワーOK
8階から1階の売店まで階段で往復する(弾力ストッキング購入2300円)
麻酔科診察
手術の必要物品のチェックを受け、万端。
PTさんが訪問してくれ、歩行の簡単なチェックや、歩行時に意識するべき肩の水平や骨盤を前に出す方法、術後のベッドの上がり下りの時のコツ、その他不安なことをたくさん聞いてくれました。ありがたい。
ただ、手術が木曜日なので、術後2日目に行われるはずのことが少し週明けに延期になるかもしれないとのこと。やむをえません。
夕食後にはリハビリ室で歩行解析が行われました。半袖半ズボンのモジモジ君衣装でモーションキャプチャーです。
たまに録画映像で見る自分の歩行姿が見事にデータとしてパソコンの画面上に現れました。あんまり見たくない25年間続けてきた自分の歩き方。ムムム(悲)
術後3ヶ月でどのように変化したか又記録するらしいです。それまでに歩行はもちろん、体型も変化させなければと改めて実感しました。なにしろぽっちゃり。解析をしてくれたPTさんは、体型はアスリートやねと。いやいや、これ全部脂肪ですから。
今夜も下剤を服用して休みます。
20から21時アルジネートウォーター2本 ポカリイオンウォーター追加で

2月16日 入院1日目

左股関節固定を人工股関節に置換するための入院1日目。
患者支援センターで入院手続き後、病棟で待つ、待つ、待つ…
途中リハビリ医の診察に呼ばれて1階へ逆戻り。整形外科のカルテをもとにいろいろ問診される。
何が一番困りますか?
え?生活全般。
違いました。股関節固定のため腰椎や頚椎に影響が出ていること、その影響が今後の進んでいくのを防ぐこと。今回の手術の目的はそれが一番です。
以前仕事をしていた病院で、今はもう退職されたPTさんのいとこにあたるらしいです。ある程度経過した後はどこの病院に転医するかの確認も。特定機能病院なので在院日数を減らすことは必須業務なのだと思われます。
お昼ご飯は仮のお部屋でいただき、その後ここしか空いていないという4人部屋に案内されました。担当ナースさんからたくさん説明を聞き(一度に聞くと忘れてしまってる)薬剤師が内服薬のチェックに来て、薬の錠数まで数えていきました。
主治医が突然現れて、説明室に呼ばれ、ナビゲーションシステムを使うにあたって本来であれば目印になるようなものが固定した関節では無いこと、出来れば局所麻酔で該当部位に何箇所か骨に穴をあける処置をしたいと。
骨に穴?
痛いですよね、それって。
さぁ、どうかな。
(自分の体じゃ無いからそりゃわからないよね)
ナビゲーションシステムの機能を最大限に生かすためには、目印があったほうが良いに決まってる。了承して透視下で行うことに。
局所麻酔は昔の歯医者の麻酔を思い出させるような痛さでしたが、恐怖はその後でした。針金?のようなものを皮膚に突き刺し、ハンマーでガン!ガン!
股関節部を中心に全身の骨が響く!怖い!
生汗がザーッと出るのを見かねて、放射線部のナースが腕を握ってくれ、その手の温かさに少し安心しました。計4箇所。
その後、CT撮影。
血圧が少し下がったのか、頭がふらっとして頭痛も少し。
なんだろ。我ながら我慢強いと思います。
整形外科医の手術は大工仕事とよく言われますが、もっと凄いことが全身麻酔下では行われているのだと思うと…考えるのはよしましょう(-。-;
(人工股関節手術はまず股関節を脱臼させることから始まるらしいですから)
じんわり出血もあったので、念のためシャワーは見送りました。
昨晩眠れなかったから入院初日はよく眠れるはず。期待をこめて。
主治医ムンテラ

中臀筋、脂肪変性ある
インプラントは50歳過ぎたら迷いなく入れる、入れ替えなし
骨頭は大きいものを入れる、脱臼予防のため、筋力弱い
筋肉の緩みが大きければ脚長する おそらく1cmくらいまでの範囲で

入院前受診3回

まず1回目
あらかじめ他の病院で撮影してきた股関節のMRIデータを持参で、筋肉の状況を検討してもらう。
20数年間関節が動いていないことにより当然筋肉も痩せてはいます。体はかなり太りましたが(笑)中臀筋は右に比べると痩せてはいるものの手術に持っていく見込みはあるとのこと。
ただ、私の希望は関節が動くようになることだけではもちろんなく、日常生活が普通に送れるようになること。術後しばらくは杖歩行はやむを得ないとしても、その後には右股関節のように比較的自由に身の回りのことができるようになってほしい。
決してわがままな望みではないと思いますが、実現するには容易でないこともわかっています。
私の大腿骨は、LCCの患者によく見られるということですが、普通の方より少し細いらしいです。そうだったんだ。なのにどんどん体重増やしていっちゃって申し訳なかった。骨の健康のためにはある程度の荷重も必要だからまぁいいか。(いいのか?)
主治医が変わることでこれまで築いてきた関係性が一旦リセットされ、一からもう一度というのが不安でしたが、カジュアルな感じにお話できる先生でよかった。上から押し付けるでもなく、よく話も聞いてくれます。助かります。聞きたいことがものすごくたくさんある。もちろん不安なこともたくさん。
2回目。
術前検査。ひととおり。血液検査、尿検査、心電図、肺機能、胸部写真。最後に診察。しないというのを押し切って無理を言って自己血を400ml取ってもらいました。30年前、学生の頃入院した時に、不規則抗体が陽性と言われたのに、出てないよ〜と言われ、びっくりした。
輸血は受けないのに越したことはないです。でも出血が多くて苦しかった前回のことを思うとなんとしても自己血をとっておいて欲しかった。よかった。
3回目。
下肢深部静脈血栓症がないか、心臓のチェックのため、エコー検査。
術前症状がなくてももともと血栓を持っている人がいるらしく、術前チェックとして全員に実施しているらしいです。
下肢は右のほうが圧が低い?のか、でも異常なし。
心臓は壁が厚いらしく、何度も高血圧の既往はないか?と確認されました。機能的には30代くらい若いといっていただきました。喜んでいいのか……?
少し階段上がったり軽い運動だけでも息が上がるのに、にわかには信じ難い。
さすが大学病院。手術に至るまででもかなりの出費です。研究機関ですからデータを取るのも仕事のうちです。