Kさんとのメール(2)2016年4月11日

[ Kさんからのメールの概要 ]

今現在、骨きりした側の股関節は強直がすすんで痛みが少なくなっている状態。固定側を人工に変えるメリットが実感できず、不安で踏み切れないと

 

おはようございます。
お返事が遅れて申し訳ありません。

いただいたメールを読み返しつつ、今一度じっくり考えてみました。

まず一つめは、固定解除のメリットについてです。

前回のお返事で書かせていただいた通り、私の場合は明確な目的がありました。
固定により起こっている障害が悪化することを防ぐ、ということです。
長い間苦しんできた呪縛(固定のことです)から解放されたい。
普通の姿で歩きたい。
股関節固定のおかげでこれまで何とか生活してこられましたが、固定による苦しみも、同じくらい抱えてもがきながら生活してきました。

ちょうど10年前、左関節固定、右股関節症悪化による極度の可動域制限という状態は、ちょうど今の久保さんととても似ている状態だったように思います。
(骨切り術は受けていませんでしたが)

寝ても起きても痛みとの戦い、思うように活動できず仕事も辞め(もともと病院で看護師をしておりましたが、その後退職し福祉施設での事務補助など少ししていました)
人生の目的が分からなくなるような闇の中でした。
痛みとお別れし、将来ではなく今現在の自分がやりたいことをする!
右股関節の人工関節への手術を受けたのは、母が50代と比較的若く亡くなったことが影響していると思います。

固定股関節を抱えたままの人工股関節置換術でしたが、
そのタイミングで人生がガラッと変わった印象があります。
不自由さはあっても、痛みがない。
術後1年くらい経過すると、手術を受けたことを忘れてしまいそうになるくらい、活動がスムーズで、ちょっとした小走りができたり、旅行でゆっくりペースですが、歩き回れたり、少しの坂道も上がれる、階段も前向きに昇降できる…
私にとっては天国のような状態でした。

人工関節への負担も確かにあったのでしょうが、10年経過した今現在
緩みもなく順調にいっている方だと感じています。

それでもなお、固定関節を人工にする決断をしたのは、久保さんもおっしゃていましたが、今が最後のチャンスと感じていたからです。
固定解除の後のリハビリの困難さは、10年ほど前に知り合った方からも聞いていましたし、今後もう少し年齢を重ねてから手術を受けるか?早いうちに受けるか?
は自分の中での決断です。
迷いは…びっくりするほどたくさんありました(笑)
固定解除のメリットは、結局私の場合、自己満足だけなのかもしれません。

二つめは固定解除後に失うもの、についてです。
まず、歩行の安定。
それまでの不自由ながらも慣れ親しんだ生活様式。
固定解除後に自立歩行が可能かどうかを考察している時に
右股関節の主治医が、最悪な状況の場合、立位を取ることも難しいかもしれない、と。
固定による筋肉の影響(筋力や筋出力)が「手術してみないとしてみないとわからない」状態であるということは、執刀医にもなんども言われました。
自立歩行が目標なので、それが無理なのであれば手術を受けることは諦めるつもりでした。
反面、リハビリに数年かかってでも自立歩行に見込みがあるのであれば
望みを託したいという思いでもありました。

今の生活に満足しているのであれば、その安定を数年とはいえ手放すことに不安を感じるのは当たり前だと思いますし、術後の見込み如何では、固定解除を受けるということはかなり勇気のいる決断になると思います。

人工関節置換術を受けるかどうか、固定解除をするかどうか、悩みに悩んで、たくさん相談して、中途半端な不安を残したままにせず決断されたほうが良いと思っています。
結果がどうあれ、自分で決めたこと。そう言い聞かせて手術の後の苦難も乗り越えていくつもりでいます。

決断が人任せになってしまうと、このしんどい期間(術直後やリハビリ)を乗り切って行かれないような気がします。

いろんな人の意見や、経過について知っておくことは、役に立つと思いますしどうぞ何度でも聞いてください。
今は手術を受けた大学病院を退院し、回復期リハビリテーション病棟のある病院に転医しています。
田舎で分かりづらいかもしれませんが、●●さんがお越しになりたいのであれば、私の方は大歓迎ですよ。

回復期リハ病棟へは初めての入院ですが、毎日(休日含め)1時間のリハビリが最大3回あるので、ご都合をお伺いしておけばリハビリの時間を調整してもらえますからまた教えてくださいね。

最善の決断が下されますよう、非力ながら私の経験が少しでもお役に立てれば幸いです

●●●●(私の名前)

入院中の病院です

●●●●病院 住所ーーーー

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