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2011年7月アーカイブ

股関節固定術から人工関節に置換された管理人もみじさんの、情報満載なサイトです
参考になる情報がたくさん!

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両側性二次性股関節症と共に歩んだ半生記

人工関節:国内最大手「JMM」 「正座OK」で目指す頂点
 <おおさか発・プラスアルファ>

 関節痛で長く歩くのがつらい、正座ができなくなった??。年齢を重ねるうちに軟骨や骨がすり減ったり、変形することで起こる関節痛の治療に用いるのが、人工関節だ。国内メーカー最大手の日本メディカルマテリアル(JMM、大阪市淀川区)は、日本人の生活習慣や骨格に合わせた製品開発で、欧米メーカーが強い国内市場でトップシェアを狙う。【武内彩】

 ◇欧米圧倒の市場で
 関節痛は、関節にかかる衝撃を吸収する軟骨や骨がすり減ることで起こる。治療法のひとつが、悪くなった関節を金属やセラミックなどでできた人工関節と替える人工関節置換術だ。国内の膝と股関節の症例数は、年間約17万件。うち米国やドイツなど欧米メーカーがシェアの大半を占め、国内最大手のJMMでも約1割にとどまる。

 欧米メーカーに対抗するため、骨格はもちろん生活習慣まで考慮した製品開発にこだわってきた。欧米流の椅子に座る生活では、膝の曲げ伸ばしは90度程度で済むが、それでは正座するのは難しい。

 JMMの「Bi?Surface(バイサーフェス)」は、140?145度まで膝を曲げられる。独自技術で、大腿(だいたい)骨側の関節部分をボール状にし、脛(けい)骨側は半球状のくぼみを付けることで、スムーズに回旋するようにした。91年以降、国内で約1万6000件の使用実績を上げている。

 ◇生活似たアジアも視野
 生活様式が似ているアジア圏でも需要はあるとみる。10年に中国に進出し、本格的な海外展開に乗り出した。中国では富裕層を中心に症例件数が増えており、日本市場を追い越す勢いで成長しているという。野元修社長は「まずは国内トップ、その後は世界に出る。海外での売り上げ比率を上げていきたい」と意気込む。

 今年秋には、東京大学と共同開発した人工股関節の新商品「Aquala(アクアラ)ライナー」を発売する。世界で初めて、生体が異物と認識しない「生体親和性ポリマー」を関節の表面処理に使用した。人工関節は使い続けると、こすれて摩耗粉が発生。この粉が免疫反応を起こし、骨が変形して人工関節との間にゆるみが出る。新商品は生体親和性ポリマーを使うことで、摩耗粉を抑えるという。膝関節への応用や海外展開も検討する。

 ◇再手術に備え部品保存
 06年に導入した「永久交換システム」は、生産を終了した製品の部品もすべて保存するサービスだ。人工関節は長年使い続けるうちに摩耗が起こるが、経年劣化する部品を一定期間ごとに生産し直して保管し、劣化した部分だけを交換できるようにした。手術から20年後、30年後でも部品はそろい、患者の負担が軽減する。

 以前は耐久性の問題から、人工股関節の適用年齢は65歳以上と言われていた。使用途中での再手術を避けるためで、若いうちは痛みを我慢する人も多かった。最近は耐用年数が15?20年以上に延び、50歳代で手術を受ける人も増えているという。野元社長は「これまで諦めていた人が治療を受け、旅行や軽い運動を楽しんでいるという声を聞くのがうれしい」と話す。

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 ◇日本メディカルマテリアル
 04年、京セラと神戸製鋼所の医療機器部門を合併して設立。京セラのセラミックと神戸製鋼所のチタンの技術がタッグを組んだ。人工関節の分野では、前身の京セラ時代を含めると30年以上の実績があり、人体への親和性が高いといわれるセラミックやチタン合金などの材料から表面処理まで、自社で一貫生産できるのが強みだ。

毎日新聞 2011年7月15日 大阪朝刊