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【トピックス】変形性股関節症などの人工関節置換術後、日常生活の厳しい制限が脱臼にあまり関係なかった

人工股関節に置換術後、一番心配だったのは、脱臼です。術前、股関節の可動域制限もありあまり運動もできずに居たため筋力はかなり低下していたと思います。

となると、はやり肢位によって人工関節が脱臼するのでは?という不安はいつまでたってもぬぐいきれず、長い間抱えたままだったように思います。しかし、いつのまにかそのような不安もなくなり、何でだろうと考えてみても、普通の生活を普通に送っていくことによる自信、以外の何者でもなかったような気がします。

よほど極端な姿勢や、転倒などがなければ、脱臼の不安に取り付かれて恐る恐る生活することはないのかもしれません。そういう意味で不安を軽減させてくれる記事発見。

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変形性股関節症などの人工関節置換術後、日常生活の厳しい制限が脱臼にあまり関係なかった:システマティックレビューにより検証(2015年6月28日MEDLEYより)


変形性股関節症などの治療に、人工股関節全置換術(THA)という手術があります。歩く能力を回復させるための手術ですが、術後は脱臼の危険性を考慮し、日常生活において非常に厳しい制限を設けることがあります。今回の研究では、THA後のそのような制限に脱臼防止の効果があるか検証した結果、運動制限を厳しくしなかった場合でも脱臼の発生率が上がるという結果は見られませんでした。

◆6つの研究を統合してTHA後の脱臼と日常生活の制限の関係を検証

今回の研究は、文献検索でヒットした119件の論文から、さまざまな選択基準を加味して抽出された6つの論文を、以下の方法で調査しました。

ランダム化比較試験と対照群のあるケースシリーズの論文で、英語、オランダ語、ドイツ語のものを選択した。

一次治療としての人工股関節全置換術で、術後の制限と警戒プロトコルによって管理されたものについて述べられている文献を選択した。

主な評価項目は、人工股関節全置換術後の脱臼率とし、二次的な評価項目として、患者の機能評価、日常生活の再開や患者満足度を採用した。

人工股関節全置換術後の脱臼に関する6つの論文から、制限の厳しさと脱臼率、日常生活に戻るまでの期間の関係を検証しました。

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◆脱臼率に大きな差はなく、むしろ大まかな制限の方が日常生活に早く戻れた

調査の結果、以下のことを報告しました。

[...]計1122件の手術(制限群:n=528、制限をしない群:n=594)に関する記述があった。

制限群では8件の脱臼(1.5%)、制限をしない群では6件の脱臼(1.0%)が認められた。

非制限群では、日常生活により早く戻れ、回復のペースにより満足であった。

制限を厳しくしてもしなくても、脱臼の件数に大きな差は認められませんでした。また、大まかな制限の方が日常生活に早く戻れるという結果でした。

筆者らは、「より大まかにライフスタイルを制限し警戒するプロトコルでも、人工股関節全置換術後の脱臼率を悪化させることはなく、日常生活により早く、より良く活動性が回復され、患者の満足もより高い」と結論付けています。

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THA術後は日常生活の方式に敏感になってしまうのかもしれません。しかし、あまり厳しくその方式を制限しても、脱臼率に良い影響は少ないということが示唆されました。

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